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自作RubyKaigi入門

タイトルは釣りで、実際には2023/05/11-13に長野県松本市で行われたRubyKaigi2023についてのポエムです。

私が松本市在住ということもあり、ローカルオーガナイザーというカッコいい肩書をもらって、運営のお手伝いをしていたので、少し奇をてらって自作○○入門という書き方をしています。

具体的には、ノベルティ周りの受発注ヤタイなど地元企画の持ち込み一部おやつの受発注Day0イベントのKeebKaigiの企画などを担当していました。

公式ノベルティ

ボクが担当した公式ノベルティについてのコンセプトについての駄文を残しておきます。

デザインはもちろんあつみさんが作ってくれるのですが、 1000個とか作るのでいろんな業者さんに納期などの調整を半年くらい前からに連絡して、 断れれたりもしながら参加者に面白がってもらえそうなものを企画しました。

書いていて思いましたが、通常「喜んでもらえそう」と書くところを「面白がってもらえそう」と表現するあたり、 ボクはキーボードでもそうですが、どちらかというとユニークなものを他人に届けようとする習性があるようです。

Tシャツ

前述の通りデザインはあつみさんなので、ボクは数量を決めて業者さんとやり取りしていただけなのですが、 去年の三重のときには1日目の割と早い段階でサイズがなくなってしまったのが結構あったので、 今年は参加チケットを購入するタイミングでTシャツサイズのアンケートを忍ばせてもらって、 その結果をもとに発注数を決めたので場持ちは改善されていたと思います。

ひのき箸

林業が盛んな木曽という地域で有名な「ひのき箸」に、Rubyコードを刻印したお箸です。

刻印しているRubyコードは@mameさんに考えていただきました👏👏👏

ひのき箸

袋を開けたらまずは匂いをクンカクンカしてみてください。
ひのきの甘い香りがすると思います。

ここでボクがコードの動きについて解説するのはあまりに恐れ多いので、 各々どんな意味のあるコードなのか考えながらおいしくご飯を食べていただければと思うのですが、 BEGINで始まって、RubyKaigiMatsumotoなど今年のキーワードが散りばめられているノベルティを受け取って RubyKaigiに臨むというストーリーは、@mameさんらしいとても粋な演出だったと思います。

「箸だけ余っている」ように見えたかもしれませんが、チケットの売れ行きが想像以上だったので箸だけ直前に生産数を増やせたためですので誤解なきよう~

八幡屋磯五郎の七味缶

七味唐辛子

八幡屋磯五郎さんは長野市の七味唐辛子のメーカーさんです。

完全オリジナルデザインの缶は1000個程度では作れないのですが(それはそう)、 八幡屋磯五郎さんは毎年アニバーサリー缶という期間限定デザインの七味缶を作っていて、 2023年はたまたま松本缶だったので、それをベースに蓋だけRubyKaigiオリジナル仕様にしてもらいました。

幾何学的なRubyのマークとぐねっとした唐辛子の有機的なグネグネ感がほどよくマージされた素晴らしいデザインだと思います。

今年しか作ることのできなかった偶然の産物だったので、大切にご使用ください~!

キーキャップ

プログラマーはキーキャップもらったら絶対うれしいですよね!とかゴリ押ししてキーキャップを制作していただくことにしました。

keycaps

デザインはもちろんあつみさんなので、ボクは基本的に作りたい!って駄々こねていただけです。

ボクのお気に入りはりんごRubyです🍎

キーボード

キーボード

そしてキーキャップ作るなら土台もほしいよねってさらに駄々をこねて作らせてもらったキーボードです。

駄々をこねたと言いつつmrubyの普及という目論見はありました。

PRKFirmwareの作者のはすみさんのブログにもあるように、 mruby(mruby/c)は広義のrubyの活躍の場を広げる可能性を秘めています。
ただしそれはそれで部品を買ったりはんだ付けをしたりする物理的なハードルがあるので、 RubyKaigiに参加しているRubyファンのみんなの背中を押すというのがボクのネライでした。

配ってすぐに組み立ててくれた猛者たちも何人かいるようで、設計者としては嬉しい限りです。

qiita.com

www.youtube.com

とはいえさすがに全員がはんだ付けなんかするわけないので人数分は用意しなかったのですが、 開場後40分ほどですべてなくなってしまう結果になりました…w

おそらくあまりにきれいに梱包されすぎていて、 あれがはんだ付けが必要なキーボードだと思わず、 おしゃれなコースターかなにかだと思って持っていた人が結構な割合いるのではないかと予想していますw

端数部品と個人の在庫を組み合わせて販売したんだけどそれも一瞬で終わってしまいました。モウシワケナイ🙇‍

キーキャップも含め個人的にもろもろ追加発注しているので、販売するまでもう少々お待ちください~

Day0準備

ノベルティエリアに立っていた木枠のテーブルを覚えているでしょうか?
実はあれも普段利用しているサザンガクというコワーキングスペースからのレンタル品でした。

ヤタイ

朝市でサザンガクに材木を取りに行って、会場で組み立てました。

昨年のローカルオーガナイザーのUskeさんと一緒に組み立てたのですが、 木の噛み合わせが悪くうまくハマらないときに、Uskeさんがおもむろにカバンからヤスリを取り出して削り始めたのを見て、準備の良さに感激しました。

いっときキーボードをめちゃくちゃ研磨していたときに研磨王を名乗っていたのですが、もう二度と名乗らないと心に決めました。

午後はKeebKaigiの会場準備のため、再びサザンガクに舞い戻りました。

ノベルティやスポンサーブースの荷物の仕分けをそんなに手伝えなくて申し訳なかったです…>人<

KeebKaigi

「自作キーボードは実質Ruby」という角谷さんの迷言にあるように 自作キーボードとRuby書いている人には相関があると思います。
(ボクの観測範囲に偏見があるのは認める)

そんな背景で、RubyKaigiのday0にキーボードイベントをやらせてもらうことになりました。

企画段階では参加者15人くらいかなぁとか言っていたのに、 @taeaさんのイカしたデザインのおかげもあり、 最終的な参加者は40人以上、スタッフ関係者を含めると60人近いイベントになりました!

慣れぬ企画で至らぬ点も多かったと思いますが、個人的には純粋なキーボード界隈ではそれほど目立ってないけど、 ボクも知らない面白い試みをしているキーボードヒーローたちにスポットを当てれたのと、 松本に縁のあるキーボーディストをRuby界隈に紹介できたのは良かったなって思います。

今後Ruby界隈からたっかんさんや角谷さんみたいなキーボード沼の住人や、 逆にRuby触ってみようかなってキーボードオタクが生まれたり、 PRKFirmwareにコミットしてみようって人が現れたりしたらやったかいがあるというものです。

運営メンバーやキーボード界隈から駆けつけてくれたみんな、 そして前例もないこんな怪しげなイベントに協賛していただいたスポンサーのみなさんありがとうございました!

当日の様子はdaihukuさんのYoutubeで見れるようになっているので、是非見てみてください~


www.youtube.com

個人的にはKeebKaigiに参加してくれた人がRubyKaigi本体のヘルパーやLTで見かけることで、Rubyとキーボードの相関関係を感じられてなんかうれしかったです。

RubyKaigi中にやっていたこと

ヘルパーのあんずさん炬燵さんノベルティの配布とオープンスタジオの誘導をやっていました。

破滅(あんずさんの通り名)、炬燵はいずれも魔王の好きな単語なのでいいチームだったと思います。

2人がよく働いてくれたのでボクは日中なにをしていたかイマイチ覚えていないです。

誰もいない廊下で謎に同通レシーバー返してねダンスを踊っている記録は残っているので、たぶんそんなしょうもないことを一日中やっていたんだと思う。

なにをしていたかはイマイチ覚えていないけど、あんまりセッションは聞けなかったのでアーカイブが公開されるのが楽しみです^^

夜やっていたこと

夜はあちこち飲み歩いていました。

噂には聞いていたけどmatzやインターネット上でしか見たことがないコミッターさんと自然にエンカウントします。

しかもフレンドリーとゆー形容すら当てはまらないくらい本当に普通にお話しできるのでRubyKaigi怖いってなりました。(※貴重な経験です。)

あとはスマホを開いて困ってそうな野生のサムウェルさんに遭遇したので「アイリブインマツモト、キャナイヘルプユー?」って話しかけてうなぎ屋さんまで誘導する実績を解除しました。

英語はうまく喋れないけど、なんか光るキーボードの写真を見せてくれたので、おそらくなんかしらのコミュニケーションはできていたと思います。

KeebKaigiでも思ったけど、もう少し英語力どうにかしたいとも思いました。

海外の方が日本語というクソめんどくさい仕様の言語を勉強してくれているのに、ボクが英語に歩み寄らないのは失礼だなぁみたいな感覚。

3日目の夜は光る分割キーボードヌンチャクを腰からぶら下げてPixivさんのイベントで暴れたり、 運営を強力にサポート頂いているPeak1さんの方々と飲んだり、 松田さんと雨の女鳥羽川でRubyistsを待つという貴重な経験をしたりしました。

気がついたら日が昇っていて、次の日ヤタイを載せた車を運転しないといけないことに気づいてホテルに戻って寝ました。

振り返ってみるとキーボード関連のことして踊っている形跡しかないんだけどどうしてこうなった…!?

感想(ポエム)

2020のこと

みなさんご存知の通りMatsumotoでのRubyKaigiはもともと2020年に予定していました。

その時ボクはただの参加者だったのですが、勝手にRubyで桜の開花予測をしてみたりして、松本にいるRubyを嗜むものとしてめちゃくちゃ楽しみにしていたのですが、 感染症の流行というやんごとなき理由で中止になってしまいました。

そのとき運営メンバーのこばちえさんぱんさんのやるせなさを外から感じていたのですが、 運営に入って「中止になったので閉じます」みたいな悲しいコメントでクローズされている当時のIssueを見ると、 当時部外者だったにも関わらずめちゃくちゃ悲しい気持ちになるわけです。

最後の松田さんのクロージングのときにはそんなことを思い出しました。

もう一度松本でやってくれて、1200人も集まってくれて本当にありがとうって、心底思いました。

異色

他のテックカンファレンスにいろいろ参加したことがあるわけではないけども、やはりRubyKaigiはユニークだと思います。

言葉で表現できないいろいろがあるのですが、 わかりやすいところで言うと開催地が毎回変わることです。

これによってRubyKaigiにおいてセオリー的なものはほとんどなく、常に「来年はどうしようか?」みたいな手探りな議論が始まるし、 初めての会場でケーブル張り巡らせて1200人が繋がるネットワーク環境構築するのとか人間業じゃないと思います。(褒めています)

なんでこんなしんどいことを毎年しているかっていうと、これはただのボクの憶測なんだけど、 参加者を飽きさせない工夫なんじゃないかと思っています。
(あと運営メンバーがそれを楽しんでいる節もありそう)

なので来年には今年とは全く違う来年のRubyKaigiがボクたちを待ち受けているだろうし、 でもきっとありきたりなテックカンファレンスにはならないことだけは確信していて、それがいまから楽しみです。

RubyKaigiとMatsumoto

また、会期後に誰も撮ってなさそうな写真選手権という謎なムーブメントが起きていて、 メジャーからマイナーまで様々な松本の写真が上げられていました。

ボク自身は会期中会場から出る余裕はなかったのだけど、ボクの好きな小路に惹かれた人がいるのかなぁ?って気になってTwitterに投げかけてみたら 結構な人が訪れているのがわかって、好きなインディーズバンドがメジャーデビューしたときの気持ちに(そんな経験はないのだけれども)なりました。
(その後 #魔王さんが気に入りそうな小径 というムーブメントに派生していてそれも謎ですw)

それもそのハズで仮にRubyKaigiを一つの人格と仮定した場合、 1200人が3~4日間松本を蹂躙することによるRubyKaigiの松本経験値は、 ボク個人の10年間のそれを超えるのは当然なんですよね。(人月計算の魔法)
(ただし松田さん個人にも負けている気がする。)

成り行きで松本に10年もいるだけで、正直松本愛みたいなのってそんなになかったんだけど、 1200人のRubyistが集まったことで松本って街のことを今は少し誇らしく思っています。

そんないろいろな気付きを与えてくれたRubyないし、RubyKaigi、RubyCommunityには、 これからもなんらかの形で恩返ししていきたいなぁと思っています。

closing