情報化社会を切り裂く剣「Colosseum60/44」を創造した件
この記事は 自作キーボード Advent Calendar 2018 その3 の最終日の記事です。
やっぱトリはしろとりでしょ!ひゃははははは!!!
昨日はびあっこさんの C95 たのしい人生お品書き でした。
さて、もう開発リリースしてから一ヶ月以上が経ちますが、 Colosseum60というキーボードを自作したのでこの機会にご紹介させていただこうかと。
きっかけは前記事でも参考にさせていただいた「猫でも作れるオリジナルキーボード」を、
お礼の意味も込めて書籍版を購入させていただいたのですが、
後半のBlenderという3Dモデリングソフトでキーボードケースをつくるチュートリアルがとてもわかりやすく書いてあって、
3Dモデリングをしたことがない自分でも「なんかできそう!」と思えたので手をつけてみたのです。
また、前作のSHIROTRONの副産物、
自作キーボード界隈ではすっかり無限の可能性としておなじみの1UPCBのさらなる可能性を見出すためです。
無限の可能性は前記事の通り、自由にキー配置を決めれるのですが、
それは平面軸上だけではなく、Z軸方向ににも自由に配置ができるのです。
3Dキーボード自体はDactylなどがすでにあるのですが、
基本的にはPCBを使わないのでバックライトLEDをつけるのが非常に難しかったはずです。
無限の可能性はHelix譲りのSK6812miniを埋め込めるので3Dキーボードでも
フルカラーバックライトで光らせることができるのです!
(おそらく世界初)
いわゆる3Dキーボードの作り方については
ねこつくが完全網羅しているので、自分から言うことは特にありません。
ここでは設計思想というか、なにを考えてこの造形物を創造し、
大量のマジックポイント(数万円の貯金)を使って、
この世に召喚したのかという話をしようと思います。
設計思想
まずSHIROTRONで1/3キー分くらい小指列を下げていたのですが、
これでも小指で右手のPや左手のQを打つことは自分にはすこし大変でした。
もちろん更に下げればいいのかもしれませんが、
AがSよりXに近くなってしまうのはなんか違うと思っています。
ということで、小指のZ軸を他のキーからみて相対的に高くすることにしました。
よくキーキャップで傾きが付いているものがよくありますが、
押し込み角度が垂直なのはどうなのかなーと思っていたので、
各キー10度から20度程度ホームポジションに向かって角度をつけています。
ホームポジションの4キーは押し込み角度は同じなので、あえて変えていないです。
高さ、角度、を調整した段階で、なんとなく逆ドーム型(?)になったため、
イタリアの世界遺産円形闘技場コロッセオにちなんで、Colosseumと名付けました。
(なんとなく、「ころっせうむ」と読んでほしい)
名前はColosseumに決めました。 pic.twitter.com/WHkydQXt9s
— しろとり (@swan_match) 2018年10月10日
そして、一番のこだわりは親指です。
親指は日常動作で、平面のキーボードを叩くような動作をしない指です。
親指の一番の役目、それはものを握る/掴むこと。
それは人類が進化の過程で手に入れた、
「道具を持つ」という、大きな武器の一つです。
そこで親指の押し込み角度も、手のひらの中心にすることで、
握るようにキーを押し込めるようにしたのです。
自分はどうしても親指周りに4key欲しいのですが、
このように扇型にキーを配置すると無限の可能性がボトルネックになって、
親指の可動範囲に3key配置するのがギリギリになってしまうので、
最下段内側の高い位置にもう1キー配置して、
手のひら(人差し指の付け根)で打てるようにしました。
これが結果的にかなりくせになってます!
今のキーマップはEnterを手のひらで打てるようにしているのですが、
すごーく自然な動作でキー入力がめちゃくちゃ楽しいです!!
握るように押し込むのは好みが分かれるようです。
連打には向かないかもですが、
長押しするようなキー(Ctrl,Shift,レイヤー系)には向いていると思います。
とにかく、この感覚は3Dキーボードでしか体験できないので、
作ってみてよかったなーと思っています。
Colosseum44
DMM.makeにMJFのPA12GBで注文したら価格が22,000円とのこと。
もちろんべらぼうではないんですが、正直少し勇気のいる価格です。。。
twitterでも数字列いらないから安くならないのか!という案を頂き、
キー数を減らしたColosseum44を作ることを決めました。
個人的には60があれば44はいらないので、
利益ゼロで実験台になってくれる、ヒトバシラーを募集して組み立てていただき、
完成報告も上がっているので近日中に正式販売開始します。
結論
みんな、3Dキーボード作ろうよ!
2018年だけでもキーボードいくつ発売されたか。。。
そろそろ平面でオリジナリティ出していくの大変じゃないですか?
あと、無限の可能性作ったときも思いましたが、
PC上で作ったものが現実で自分の手元に具現化されるの、
やっぱ感慨深いです。
3Dキーボードのいまのところの一番の近道、無限の可能性はBoothで購入いただいても構いませんが、
たくさん必要なら何も考えずに下記のZipをElecrowにぶん投げてもよいです。
商用利用も全然おっけです。
無限の可能性使っても使ってなくても構いませんが、
3D筐体のキーボードがたくさん出てきたらたのしいなぁって思っています。
Colosseum44に関しては反省もあって、
やはりヒトバシラー形式は良くなかった気がします。
実は正式版はヒトバシラー向けのモデルから2点修正を加えさせていただきました。
いずれの修正もにっちもさっちもいかないような不良ではなかったものの、
思っていた以上に申し訳無い気持ちでいっぱいになるので、
よほどじゃない限りヒトバシラー形式の製品開発ではなく、
3Dプリンタを買うのがベターです。(結局自分も買いました。)
ただし、ヒトバシラーの暗躍によって自分では到底作れなかった、
めちゃくちゃかっこいいColosseumが出来上がりそうなので、
その点はすごくよかったです!!
最後に
クリスマスなので自作キーボード界隈で謎に語り継がれている謎の呪文「ホギィ」について曲を書きました。
そのうちフルバージョンも書きますが取り急ぎサビだけ。
クリスマスって歌わせるのうまくいかない。
この記事はColosseum60 Aliaz60gで書きました。
アドカレ参加者の皆さんお疲れさまでした!!